押忍!エッグだ!
前回ふざけすぎて収集がつかないまま全く本編が進まなかった!!
でもそれでいい!!
己を肯定しろ!!
どの道に進もうが己は己!!
己を肯定できなくなった時は死ぬ時だ!!
すべては己次第!!
といわけで今回はさっさと本編を開始しマッスル北村。
サムイ島で2日が経ち少し落ち着いたころ。
小学一年生の頃に同じクラスになってからの腐れ縁。
地元の親友カンゴがサムイ島まで僕に会いに来た。
彼はマジメな会社で働くリーマンで、学生時代も今もミッキーマウスのように誰からも好かれる人気者だ。
しかし優柔不断で自分の身の回りの事ができないだらしない男でもある。
そんなカンゴは過去に何度も海外旅行に行ったことがあるのだが、一人で飛行機に乗るのは今回が初めて。
さらに今までの海外旅行は全て友達に任せてきたのでチケットの取り方もわからない。
それでいてカンゴは頑固なのである。
「もう俺が代わりに取ってやろうか?」と聞いても「自分でやるから大丈夫!」と言ったまま数日が経過。
「チケット取ったよな?」と聞くと「やり方がわからなくて取れなかった!」と明るく答えるカンゴ。
既に数日が経過し出発の日は近付いているのにカンゴは余裕である。
飛行機の値段は出発日に近付くにつれ日々上がり続けている。
「なんで取れなかったのにすぐ連絡しないんだよ」と聞くと「わりい!忘れてた!」というやりとりが何度か続いた。
そして「おまえ前回よりどんどん値段上がってんぞ?俺もう知らねえからな!」と軽く怒ると「まじかよ!やべえじゃん!」と急に焦りだすカンゴ。
カンゴは高校受験の時も、大学受験の時も、就職活動の時も、長年付き合った彼女と別れる時も僕ちんは一緒だった。
ずっと僕は「早くしろ!手遅れになるぞ!」と言い続けるもカンゴは余裕だった。
そして毎回カンゴは手遅れになってから悲しい顔を僕に見せにくる。
そんなカンゴが心配で僕はいつも口酸っぱく忠告し続けてきた。
しかし毎回カンゴは
「自分でどうにかするから大丈夫!」
「うるせえなぁ!わかってるよ!」
「やざわぁ。。どうしたら良い。。?」
「やっぱり矢沢の言ってた事が正しかったな。。」
の地元ではお馴染みカンゴ黄金ルートを辿る。
そして今回もギリギリになりLINE電話をしながらカンゴにチケット予約の操作方法を教える。
しかしカンゴは頑固&馬鹿なのだ。
卵「ちゃんとパスポートの通りの名前を入力しろよ!」
カ「わかってるよ!」
卵「じゃあとっとと入力しろよ!」
カ「ミドルネームはカンゴで良いんだろ?」
みたいなことを平気で言ってくるのだ。
なんとかカンゴは途中まで進むも何かの入力を誤っているようで先に進めず、最終的に僕が代わりに全てやるのである。
カンゴは31歳にして僕にクレジットカード裏のセキュリティコードまで教えてしまう情けな男なのだ。
それでも僕はそんなカンゴのことが可愛いのである。
カンゴの友人は皆カンゴの世話を焼くのである。
そして皆が口をそろて、そんなカンゴを可愛いというのである。
そんなカンゴなので僕は彼の歴代の彼女を全て見てきているが本当に可愛い子しかいない。
そんな母性本能をくすぐる男カンゴは出発の日は不安で仕方がないようで、地元の駅で電車に乗った段階から全て逐一報告してきた。
そして散々伝えた「液体は預け荷物に入れろ」ということを忘れ荷物検査で止められたと慌てて連絡してきたりした。
さらに一番焦ったのは夜の便だったので朝6時頃にバンコクに到着したカンゴから入国審査で引っかかって入れないと連絡がきたことだ。
カンゴ曰く入国審査官に「チェンマイチェンマイ」と言われ「ノーノーサムイアイランド!」と言い続けたそうだ。
※チェンマイとはタイ北部の都市
意味がわからないので空港に電話しようと電話番号を調べていたらカンゴから入国できたと連絡があった。
カンゴ曰く「おまえはチェンマイに行け!」と空港の入国審査官に言われ続けたとのこと。
そんなことあるはずないけどな!!!!
出発前のゴタゴタから当日も朝6時に叩き起こされたりと僕は到着前から爆発寸前の状態であった。
そして遂にカンゴがサムイ空港に到着したと連絡があったのでカンゴのホテルで待機。
もちろんこのホテルも僕がカンゴのために綺麗な所を探して値切って予約しておいたのである。
そんな苦労も知らずカンゴはヘラヘラしながら現れた。
しかし強がっていたが少し泣きそうな顔をしていた。
多分はじめてのおつかい状態だったのだろうと思い、僕はイライラを抑え笑顔でカンゴを迎えた。
※もちろんカンゴは空港からのバスにも乗り遅れ予定より30分は遅れてきた。
それからはたった三泊のみのカンゴとサムイ島フルコースを楽しんだ。
アゲハ寿司でランチ!
バイクをレンタルして島をツーリングしてサムイ島のゲイが営む腕の良い美容院でカット!
雨宿りついでにフランス人パぺのパン屋で絶品アップルパイとチーズケーキ!
ジャングル!
海!
ピザ!
タイ料理!
天下無敵のココナッツミルクシェーク!
極旨ドイツ料理屋!
ラクレットとステーキが美味い洒落た店!
セントラルで日本じゃ着れないヤバイ服を試着!
ナイトマーケット!
とにかくカンゴとは色々なところを回って毎晩飲み歩いた。
そして最終日は僕からの試練で「一人でバイク乗って島一周してこい!」という指令を本気で嫌がっていたが無理やり行かせた。
でも帰ってきたカンゴは「最高の思い出になった」と喜んでいた。
その日の夜は、カンゴに最後にどうしても食べさせたかったフランス人が作る鬼臭い本物のカマンベールチーズを食べに行った。
僕たちは既に夕食を済ませ満腹だったのでチーズを一切れだけ食べるつもりだったのだが、そこの店主と知り合いだったということもありフランスパンまでサービスで出してくれた。
ただ本気で腹がはち切れそうなほど満腹だったため、申し訳ないがフランスパンをほとんど残して会計を頼むと「お代はいらない!サービスだよ!」と言われてしまったのだ。
これは絶対にフランスパンを残すわけにはいかない。
しかしこれ以上食べたら多分吐く。
あいにく店主はまだ僕たちがパンを残していることに気付いていない。
卵「おい。。カンゴ。。ポケットにパン詰めろ。。」
カ「は?どゆこと?」
卵「いいから早くポケットにパン詰めろ。。」
こうして僕たちは店主の気持ちを踏みにじることなくパンを完食(!?)して店を後にした。
そしてカンゴは晴れやかな顔で日本に帰っていった。
詳しく書こうと思ってたけど野暮だから割愛したけど、この三日間でカンゴは何度もネガティブなことを言っていた。
その度に僕はイライラして何度かブチギレた。
こんなポジティブな場所に来て
旅行というポジティブでしかない時間なのに
なんでネガティブなことを言うんだ!!
と本気で腹が立った。
旅している最中は夢の中と同じなんだ。
夢の中では好きな事だけして、好きな物だけ食べれば良い。
夢なんだから自分の意識ひとつで何でも変えられる。
そう
すべては己次第!!
決まった!!
そしてカンゴが日本に帰ってから数日経ってLINEが届いた。
そこにはこう書いてあった。
「日本てちいせぇなぁ。。」
カンゴはサムイ島で大きくなり過ぎたようだ。。
ちなみに僕が吉本の芸人時代にやっていたオールナイトニッポンwのトークの中で何度か登場していた地元の友達とは何を隠そう、ほぼカンゴのこと。
ヤバイ話もしているので、どれがカンゴの話かは秘密。