どうもエッグ矢沢です!
日本は梅雨真っ盛りですか?僕は男真っ盛りです!
こちらバンコクも今は雨季なので毎日ドバッと雨が降っては止むの繰り返しです!
そんな今回は世界一周をする人達には超有名なスネークファームで起きた、ちょっとした事件について書いていきタイと思います。
スネークファームというのは通称で、本来は蛇博物館?の名前なのですが旅人の間では入口が同じ赤十字病院のことを指してスネークファームといいます。
そんなスネークファームでは様々な種類の予防接種が格安で打てることで旅人の間では超有名なのです!
※他の旅ブロガーの情報によると日本の1/3くらいの値段で予防接種ができるらしい!
そんなわけで僕は日本にいる時からスネークファームで予防接種を打つと決めていました!
しかし、僕がこの世で一番怖いものは注射なのです。
予防接種当日、僕たちは10時半にアソーク駅で待ち合わせ、地下鉄に乗りシーロム駅で下車。
10分くらい歩くとスネークファームに到着。
スネークファームには世界各国の旅人が訪れるので英語も通じるし、簡単な日本語を話す看護師さんもいます。
中に入ると各場所に①~⑤の順番が書いてあり、その通りに行けばなんとかなります。
冗談抜きに怖いので僕は何度も何度もナークルアを連呼。
次は打つ注射も決まったら先生に渡される紙を持って⑤に行きワクチンを購入し④に戻る。
そして遂に注射の時がやってきた。
この日は午前中に来たからか、とても空いていた。
ちなみにさっき先生と色々話していた時点で僕は顔面蒼白の頭まっしろ状態で、基本的に付き添いで来てくれた元看護士のエツコさんがやりとりをしてくれていた。
もし一人で来ていたらあの時点でガチで逃げ出して帰っていたかも知れない。
僕は死刑囚が毎朝、刑務官の足音がコツコツと近づいてくると「本日、死刑執行」と言われるかも知れないという恐怖と全く同じレベルの恐怖に震えていた。
おしっこがチビりそうだったので、先にトイレに行っておこうとして席を立った。
すると看護師さんに「どこ行くんだ?」と問われたので「トイレだ」と答えた。
しかし「もうすぐおまえの番だから後にしろ」と同じ人間とは思えない非道な言葉を投げつけられた。
僕はキレた。
そして彼らに股間を指さしながらこう伝えた。
「もし貧血で倒れたら全部漏らすぞ?」
すると病院内にいた医師も看護師も患者も全ての人が大爆笑していた。
これは本来であれば芸人として嬉しい場面だが、今回は自分の死が関わるかも知れない事態なので僕は無視してトイレへと急いだ。
そしてトイレを済ませ部屋に戻ろうとすると、レジェンドドクターがドアの前で僕を待っていた。
彼は僕に向かって「ゴートゥーランチ」といってきた。
僕はあっけに取られたが「トゥギャザー?」と伝えると「イエスイエス」といっている。
実は年老いているレジェンドドクターの英語はムニャムニャしていて正直良く聞き取れない。
なにがなんだか理解できないでいると、元看護士のエツコさんが現れ「倒れたら困るから先にランチしてきなさい!」と看護師長がいっていたと教えてくれた。
やっと自分の気持ちが理解してもらえたと嬉しそうな顔をしたレジェンドドクターの姿はスゥっと消えていった。
僕とエツコさんは食事を取るために近くの日本人街タニヤ通りまで歩いた。
ここは僕が4年前に初めてタイにきたときに色々と思い出のある懐かしい場所だ。
2、3年振りに訪れたタニヤ通りに僕は懐かしさが込み上げてきた。
それと同時にこの景色は僕の記憶の中の走馬燈なんじゃないかと不安になった。
そして最後の晩餐になるかも知れないからと、選びに選んで入った日本食屋でカツカレーを食べたがクソ不味かった。
最後の晩餐を食べ終わり、僕たちはスネークファームに戻った。
病院に入ると「良く戻ってきた!」と、みんなが笑顔で歓迎してくれた。
そして僕は待ち合い室で待っていると、食後の急激な便意に襲われトイレに行こうと席を立った。
すると「もうすぐおまえの番だから後にしろ」とデジャブみたいなことをいってきた。
すかさず僕はお尻を指さし
「もし貧血で倒れたら全部漏らすぞ?」
とカレーならぬ華麗なデジャブ返しをするとドン引きした顔をされ、今回は誰も笑わなかった。
洒落の通じない奴らだぜと僕は彼らを尻目にトイレに向かいデジャブリブリして待ち合い室に戻った。
待ち合い室のドアを開けると席に座る間もなく僕の名前が呼ばれ、僕は死刑台の扉(診察室)を開けた。
するとそこには不自然なブルーシートが敷かれていた。
僕は彼らの本気度が伝わり武者震いした。
僕が貧血を起こしベッドの上で『だっふんだぁ』をしても構わないようブルーシートを敷いているのだ。
彼らの本気を前にして、もう僕は逃げるわけにはいかなくなった。
今回、両肩に2本ずつ計4本の注射を打つらしい。
最後にもう一度伝えるが僕がこの世で一番怖いのが注射だ。
これは冗談でもなんでもなくガチガチのガチの話だ。
1本で貧血を起こす僕が一気に4本もの注射を打つわけだ。
怖くないわけがない。
情けないが僕は足がすくんで動けなかった。
そんな僕を元看護士のエツコさんが支えベッドに寝かせてくれた。
不自然なブルーシートが敷かれたベッドの上で僕は目を瞑り静かに深呼吸をした。
そして肩に打つというので肩が真っ赤になるくらい強くつねくりまわした。
こうすれば皮膚が麻痺して痛みを感じないだろうと思ったからだ。
そこに心配した看護師長まで入ってきて片言の日本語で「イタクナイ」といってきた。
僕はタイ語で看護師長に「ゴーホック」と言い返した。(ゴーホック→嘘つき)
みんな笑っていた。
でも僕はそれどころではない。
そして看護婦が4本のワクチンを注射に注入し終わり、運命の時がきた。
注射担当の看護婦が死へのカウントダウンを始めた。
「ワ~ン」
僕の人生はこれで良かったのだろうか
「ツ~」
いつも自分の意志を貫くために争いばかりの人生だった
「スリ~」
丸く生きようが
尖って生きようが
本当はどちらも同じなのかも知れない
だけど僕は後者の方が自由に生きてる感じがした
だから僕の人生は楽しかった
これで良かったんだ
これで良かったんだ
みんなありがとう。。。
さようなら。。。
プスッ‼
あ、あれ?痛くない?え?もう終わったの?
そう、つねくりまわしたのが効いたのか蚊に刺されたようなレベルのチクだった。
そして4本の注射が終わり、痛くはなかったとはいえ精神が崩壊寸前だった僕は足元がふらつき元看護士のエツコさんに支えられながら病室を後にした。
病室を出るまでにレジェンドドクターや看護師長など様々な人たちに僕は祝福された。
僕は、このときとてつもなく大きな壁を登り切った気分だった。
もう怖いものなんてない。
これだけの無理難題をクリアしたんだ。
僕の世界一周は必ず成功する。
だってこの世で一番恐ろしかった注射を4本も打つことができたんだから。
僕の旅は本当の意味で、これから始まる。
To Be Continued
PS.しばらく絶対に酒は飲むなといわれたのに調子に乗って、この日の夜に飲んだら両肩がガチガチに痛み出して引いたので、予防接種を4本打ったあとの飲酒は控えましょう。
【追記】
書くか悩みましたが、先日二度目の予防接種が終わりました。
二度目もビニールシートが敷かれていました。
僕を覚えていたからの可能性もありますが、もしかしたら全員ビニールシート敷かれてるところで注射されるのかもしれません。